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離婚基礎知識

親権者の決定

未成年の子供がいる夫婦が離婚をする際には、
必ず親権者を決める必要があります。
実際、親権者を決めなければ離婚届を受け付けてもらえません。

離婚に際しての親権者は夫婦のどちらか一方とされており
共同親権は認めれていません。(ただし法改正の動きがあります。)

親権は厳密には
子供の財産管理および法律行為に同意する権利義務を有する財産管理権
子供の居所指定や懲戒を行う権利義務を有する身上監護権
の2つから成り立っています。

この身上監護権のみを持つ者を監護権者と言います。
本来は財産管理権と身上監護権は一人の者に帰属すべきですが
親権者の諸般の事情により子供を監護できない場合などは
特別に監護権者を決めることもあります。
そのため極稀ですが夫婦それぞれが財産管理権者、
身上監護権者になる場合もあります。

協議離婚の場合、親権者および監護権者についても
夫婦の話し合いで決めることになります。

未成年の子供とはいえ、年齢が0歳から17歳までと幅があるので
年齢によって親権者の決定も変わりますが
一般的には小学生くらいの子供の場合、親権者は母親になる事が多く
特に未就学児の親権者はほぼ100%近く母親となっています。

 

親権者が決まらない場合

親権者についての協議がまとまらない場合は、家庭裁判所へ
親権者決定の調停を申し立てることになります。

親権者決定の調停は、離婚調停と共に行われる場合もあれば
単独で行われる場合もあります。

親権者を定める調停も、他の調停と同じように夫婦の話し合いで進みますが
調停が不成立で終わった場合は、審判に自動的に移行し
家庭裁判所の判断により職権で親権者が決定されます。

家庭裁判所が親権者を決定する際は、子供の福祉を第一に考えます。
つまり夫婦のどちらが親権者ならば子供がより幸せに暮らせるかの観点から
判断を下します。
特に子供の年齢、性別、親の職業・年収は重要な判断要素となっています。

子供の年齢は幼いほど、母親が親権者に指定される傾向にあります。
未就学児に限ればよほどの事情が無い限り、母親が親権者に指定されます。

子供の年齢が15歳以上の場合、親権者の決定には子供の意見を聞かなくては
ならない決まりがあるので、子供がどちらの親と暮らしたいかによって決まります。

親権者の決定に関しては、裁判所は、子供へのDVなどを除き
離婚原因や有責性に関してはさほど重要視していないようです。
そのため一見理不尽と思われるような親権者の決定もあったりします。

 

面会交流権

親権者でなくなったからといって親でなくなったわけではなりません。
よって、その後も親として子供と会う権利を有しています。
これを面会交流権といいます。

面会交流権は普通は親権を決定する際に決めます。
交流に関しての法的規定や基準は存在しませんので、
その内容は自由に協議で決めることができます。
月に1〜2回、2〜3時間の面会がよくあるようですが
子供の負担にならないように決めるのが前提です。

離婚でもめたことの腹いせなどが原因で
面会交流権があるにもかかわらず、子供自身は会いたがっていても
面会の約束が守られないことがあります。

面会の約束が何度も守られないようなら
面会交流の調停を家庭裁判所に申し立てることになります。
調停は原則的に話し合いで行われますが、調停が不成立になった場合は
自動的に審判に移行し、子供に面会させるようにという決定がなされます。

もし親権者がこの決定に従わない場合は、
他方の親の申し立てにより、裁判所より親権者に対して
子供に会わせるまで一定額の金銭の支払いをするようにとの履行命令が出されます。
ただし、直接強制的に子供を連れて来て会わせるという命令は出されません。

子供が小さいうちは、子供の意思が反映されにくいため
親が会おうとしなければ、なかなか会えないことが多いので
面会交流権は積極的に利用し、裁判所もおおいに利用する方が良いでしょう。

裁判所も、子供に関する諸問題は、「子供の福祉」を中心にという考え方なので
子供が親と会うことに対しては積極的に支援をしてくれます。

 

親権者の変更

親権者を決定した後に、親権者側に事情変更が生じたり
親権者としての扶養義務を果たしていない場合には
親権者の変更をすることができます。

親権者の変更は夫婦の話し合いだけでは決められず
必ず家庭裁判所に親権者の変更調停の申し立てをしなければなりません。

親権者の変更は子供の福祉のために行われるため
離婚後に親権が欲しくなった、子供の面倒見るのに飽きたなどの理由では
申し立てできません。

親権者の変更が認められるのは
現在の親権者の生活状況の著しい悪化や子供への虐待など
子供の成育に悪影響が見られる場合です。

また子供が成長し、子供自身が親権者の変更を望んでいる場合なども
変更が認めらる傾向にあります。

最近では、親権者が面会交流権の履行を理由もなく拒み
長期間にわたりもう片方の親に会わせない場合なども
親権者の変更を認める判決が出ています。

いずれにしても親権者の変更は、全体的にハードルが高く
審理にも時間が掛かるので、入念な準備と証拠集めが必要となります。

 

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